ITやバイオテクノロジーなど高度に発達し、専門分化した科学・技術は、私たちの暮らしに多大な貢献を果たしている一方で、環境ホルモン、BSE、アスベストなど、生命を脅かしかねない様々な社会問題の要因ともなっています。
現在の科学・技術のあり方を楽天的に肯定するのでも、完全に否定するのでもなく、本当に生活者と社会のために新たなあり方を模索するためにはどうすべきなのでしょうか?
そのために私たちは、「リビング・サイエンス」という視点で活動を進めています。
複雑で難しくなりすぎた科学・技術を、もう一度生活者の視点からときほぐし、身の回りの親しみやすいテーマのもとに科学的な目線を培うことができるように、フォーラムやワークショップ、雑誌や出版、WEBなどにより様々なコミュニケーション活動を展開しています。
科学・技術のあり方を生活者視点で捉え直すリビング・サイエンス・ラボの活動では、次のような「宣言」をもとに、現在いくつかのプログラムが展開されています。
1. 科学の知識を再編集していこう
わたしたちの暮らす世界を、科学・技術の視点から捉え直す方法を研究・提案します。
2. 科学と技術のあり方を問いなおそう
科学の成果を享受するのは自分たち自身であるという考え方に基づいて、現在の科学・技術のあり方を、社会的な「ニーズ」という視点から捉え直します。
3. 学問の垣根をこえて、世界全体をとらえよう
今まで理系の枠にあった自然科学だけではなく、人文・社会科学の知見も積極的に取り入れ、従来の学問の枠にとらわれず、学問領域を自由に横断します。
4. 科学の専門家と市民のネットワークをつくろう
科学・技術を生み出す立場(専門家)と、利用する立場(非専門家)のネットワークをつくり、問題意識や情報を共有する「場」を目指します。
5. 科学の楽しい学び方を探っていこう
日々の暮らしの中で感じる違和感や不思議、不安をきっかけとして、生き生きと楽しく科学を学べる手法をデザインします。